セリと人魚の物語

僕が初めて買ったデジタルカメラ。
もう4年ほど前になるだろうか。

当時僕は、
取り回し重視でコンパクトさを最優先に考えた。
その理由はもちろん、
釣行の際に邪魔にならないようにするため。

有効画素数は高い方が良かったが、
ISO感度がどうこうと言うレベルの事は考えなかった。
と言うか、全然興味がなかった。

とにかく小さく、
それでいて機能がそれなりならそれで良い。

で、

選んだのがCanon　IXY　DIGITAL　L2というモデルだ。

こいつは凄い。
何が凄いって、
現行の最新コンパクトデジカメと比べても
全く見劣ることなく小さいボディなのだ。
携帯電話よりも小さい。
僕の記憶が確かなら、
このIXY　DIGITAL　L2の有効画素数は500万画素。
当時、
携帯のカメラ機能の有効画素数が120万画素とか240万画素とかだったと思う。
携帯並みの大きさで携帯とは比べ物にならないキレイな画質で残せると言う事で、
このIXY　DIGITAL　L2は僕の購買意欲に全力で訴えかけてきた。

その頃僕はまだ仕事を始めたばかり。
数万円という出費は恐ろしいものだったが、
意を決しての購入。

それから僕は、
ネックストラップに取り付けたL2と、
いろんな所に出かけた。
もちろん釣りだけにとどまらず、
とにかくいろんな所に出かけた。

でもやっぱりメインは釣行のお供。

磯場でガンガンぶつけたり、
波しぶきを喰らったりと、
それはそれは荒い使い方をしてきた。

そして今年の夏の終わり。
究極の荒い使い方をしてしまった。

L2を連れて渓流で釣りをしていた時の事。

川歩きの際、不注意で転倒してしまい、
L2は完全に水没してしまった。

自宅に帰ってドライヤーで乾かした所、
なんとか電源だけは入る状態にまで戻った。

しかし動作は非常に不安定。

もともとバッテリーの電圧が低くなって来ていて、
いくら充電しても常時充電マークが点灯する状態だったのに、
ここに来ての完全水没はトドメだった。

何とか年内は持たせたいと思いバッテリーを新規投入。
しかしそれでも動作不安定は改善しなかった。

どうにか起動させるコツを掴み、
9月末から今まで使い続けてきたのだが、
その間に溜まったストレスは尋常ではない。
だって、
5回連続で起動失敗とか有り得ないでしょ？
酷い時なんて、
たかが1枚の写真を撮る為に2分ぐらいかかる。

このL2はとても思い入れ深い機種だ。
動作の不安定さも好きになればそれで良いのだが・・・。
僕はそこまで寛大でない・・・。

ありがとう、L2よ。
残念だが、年内頑張れなかった。
本当に残念だが・・・ここでお別れだ。





気付けば1500回もシャッターを押していたらしい。
これが適正な寿命かどうかは分からない。
分からないけど、
僕とL2はここでお別れ。
今までたくさんの記録を残してくれて、
本当に感謝してるよ、ありがとう。


そして本日、
僕のこれからの記録係に任命されたのがこの子。







OLYMPUS　μ1050SW

1.5m落差での耐衝撃性と、
水深3mまでの防水機能をあわせ持つモデル。
他、いろんな機能が付いてるけど、
僕には耐衝撃性と防水だけで十分。
どうせ使いこなせないし。

・本体
・2GBのXDカード
・別売りの簡易防水ケース
・5年保障

これらが付いて25000円で少しお釣りが来るぐらい。
ネットで価格帯を調べたけど、少し割高なのかな・・・。

とにかく、この子には頑張ってもらわないと。
L2を凌ぐような記録を残してもらわないと。

この新しい仲間を引っさげて、
また次釣行から頑張って行こう。

だから、

L2、

本当にお疲れ。

たくさんの思い出を、

ありがとう。