2011年09月20日
幻
「今日が今シーズン最後のヤマメ釣りだ」
自分にそう言い聞かせてこの日の釣行をスタートしました。
週中には台風が接近するような予報・・・、
前回台風時のように、
河川氾濫の危険にまで達するような大増水ともなれば、
週末釣行ができる程まで落ち着くのは困難です。
それでも前回は台風通過直後にイワナ釣りに出る事ができました。
今回もイワナなら何とか可能性はあるかもしれません。
しかしヤマメとなると・・・。
まだシーズンは残っているものの、これが現実でしょう。
そんな思いで、
「今日が今シーズン最後のヤマメ釣りだ」
こう言い聞かせ、
納得の行く形で尺ヤマメに出会う為の釣行を開始したのです。
連休最終日。
今日が最後、
そんな「けじめ」に似た早朝の思いから時は流れる事、実に9時間。
時間をかけて丁寧に攻めたり、所によってはあっさり捨てたり、
自分を信じながら撃ち進みました。
そりゃあ、まあ、まあね、
小さなヤマメやイワナはそれなりに掛かってくれるのですが、
狙う尺上は当然のように姿を現してくれません。
どうにもこうにも、連休最終日の厳しさを感じずにはいられませんでした。
残された時間は、
日没し辺りが暗くなるまでの3時間。
今だから言いますが、
正直この段階の1~2時間前にはもう既に諦めていました。
9寸サイズさえチェイスさせられないこの日に、
これから何かができるのかと。
1本目2本目と外した、3本目の河川。
ここも厳しいのは間違いない雰囲気で、
このままダメ元で続行するか、
1本目の河川下流に入り直すかの選択を余儀なくされました。
残、3時間。
ここでひとつ。
情けない話なのですが、
この日の朝方実は・・・、
掛かったヤマメをフックから外そうと手元に寄せた時、
不覚にもヤマメに暴れられて、
中指の第一関節あたりに思いっきりフックオンしてしまいました。
ST-11♯12バーブ残し仕様。
25cm程度ならネットを使わずにランディングするようになった今、
当然のようにフォーセップなど使わずしてフックを外していますが、
典型的な「慣れた頃」をやらかしてしまいました。
もちろん、かなり痛いです・・・。
しかもバーブ付きの為になかなか外れません。
勢いで反対側に貫通させてフックを折り引き抜くか、
勢いでそのままの方向に引き抜くか・・・。
肉体的な痛みと、今日でなくてもという精神的な痛み。
結局貫通も力ずくも怖くてできず、
鈍痛に耐えながら引いたり押したりして、
傷口を少しずつ広げる事にしました。
しばらくするとバーブが見えるあたりまで浮いてきて、
最後に引っ掛かっていた筋繊維?も上手くかわし、
無事に引き抜く事ができました。
不幸中の幸いは、いわゆる「肉」を断ち切らずに済んだ事。
血なんてほとんど出ずに釣りを続行することが出来ました。
しかしながらこれが大幅な時間的ロス。
また2本目の川には何の調査も無いまま入ったのですが、
これがまた数年前からは想像もできないほど荒廃した川になっていました。
ここでも大幅ロス。
上2点が無ければ、
この時点で残5時間は確保できていたと思われます。
要するに、また別の結果になっていたのかもしれないのです。
こんな出来事に見舞われながら、
総合的にスローな釣りを展開してきたこの日。
残された時間は3時間。
もうきっと終わりです。
これから有終の美を飾ろうなどとは微塵にも思っていません。
ただただ、しっかり噛み締めるように釣りがしたい。
少しでも長い時間ロッドを握っていられるよう、
1本目の河川には戻らずこのまま釣り上がる事を決意しました。
ここからがドラマの始まりです。
そして、正解と不正解が同時に訪れるのです。
自分にそう言い聞かせてこの日の釣行をスタートしました。
週中には台風が接近するような予報・・・、
前回台風時のように、
河川氾濫の危険にまで達するような大増水ともなれば、
週末釣行ができる程まで落ち着くのは困難です。
それでも前回は台風通過直後にイワナ釣りに出る事ができました。
今回もイワナなら何とか可能性はあるかもしれません。
しかしヤマメとなると・・・。
まだシーズンは残っているものの、これが現実でしょう。
そんな思いで、
「今日が今シーズン最後のヤマメ釣りだ」
こう言い聞かせ、
納得の行く形で尺ヤマメに出会う為の釣行を開始したのです。
連休最終日。
今日が最後、
そんな「けじめ」に似た早朝の思いから時は流れる事、実に9時間。
時間をかけて丁寧に攻めたり、所によってはあっさり捨てたり、
自分を信じながら撃ち進みました。
そりゃあ、まあ、まあね、
小さなヤマメやイワナはそれなりに掛かってくれるのですが、
狙う尺上は当然のように姿を現してくれません。
どうにもこうにも、連休最終日の厳しさを感じずにはいられませんでした。
残された時間は、
日没し辺りが暗くなるまでの3時間。
今だから言いますが、
正直この段階の1~2時間前にはもう既に諦めていました。
9寸サイズさえチェイスさせられないこの日に、
これから何かができるのかと。
1本目2本目と外した、3本目の河川。
ここも厳しいのは間違いない雰囲気で、
このままダメ元で続行するか、
1本目の河川下流に入り直すかの選択を余儀なくされました。
残、3時間。
ここでひとつ。
情けない話なのですが、
この日の朝方実は・・・、
掛かったヤマメをフックから外そうと手元に寄せた時、
不覚にもヤマメに暴れられて、
中指の第一関節あたりに思いっきりフックオンしてしまいました。
ST-11♯12バーブ残し仕様。
25cm程度ならネットを使わずにランディングするようになった今、
当然のようにフォーセップなど使わずしてフックを外していますが、
典型的な「慣れた頃」をやらかしてしまいました。
もちろん、かなり痛いです・・・。
しかもバーブ付きの為になかなか外れません。
勢いで反対側に貫通させてフックを折り引き抜くか、
勢いでそのままの方向に引き抜くか・・・。
肉体的な痛みと、今日でなくてもという精神的な痛み。
結局貫通も力ずくも怖くてできず、
鈍痛に耐えながら引いたり押したりして、
傷口を少しずつ広げる事にしました。
しばらくするとバーブが見えるあたりまで浮いてきて、
最後に引っ掛かっていた筋繊維?も上手くかわし、
無事に引き抜く事ができました。
不幸中の幸いは、いわゆる「肉」を断ち切らずに済んだ事。
血なんてほとんど出ずに釣りを続行することが出来ました。
しかしながらこれが大幅な時間的ロス。
また2本目の川には何の調査も無いまま入ったのですが、
これがまた数年前からは想像もできないほど荒廃した川になっていました。
ここでも大幅ロス。
上2点が無ければ、
この時点で残5時間は確保できていたと思われます。
要するに、また別の結果になっていたのかもしれないのです。
こんな出来事に見舞われながら、
総合的にスローな釣りを展開してきたこの日。
残された時間は3時間。
もうきっと終わりです。
これから有終の美を飾ろうなどとは微塵にも思っていません。
ただただ、しっかり噛み締めるように釣りがしたい。
少しでも長い時間ロッドを握っていられるよう、
1本目の河川には戻らずこのまま釣り上がる事を決意しました。
ここからがドラマの始まりです。
そして、正解と不正解が同時に訪れるのです。
釣り上がる決意のわずかに30分後、
確実に魚の気配が濃くなって来たのを感じました。
それと同時に目前にどっかりと控えた巨大な堰堤。
その1つ手前の、水深と流速を伴ったポイントが僕の前に現れました。
大場所の1つ手前というのは僕が最も期待を寄せるポイント。
しかし今回は気持ちがもう盛り上がらない、そんな感じでした。
何気ないキャスト、そしてトゥイッチで引いてくると、
まさか、
まさかの大型ヤマメが複数でチェイスしてきたのです。
ここか・・・。
ここが勝負の場所・・・鱒釣りの神がいるとしたら、
まだ見捨てられてはいなかったんだ・・・。
そう思いました。
そしてここ一番の集中力で2投目・・・、
思った通りにガツン!とヒット!
フルフッキングで滑り込むドラグ量に、
確実に尺上を感じました。
そんな模範解答とも思われた時間も、僅か1秒2秒。
神経を尖らせ過ぎたか、
またも浅掛かりでフックアウトの結末が待っていました。
よし、
今シーズンも終わったな。
お疲れ自分。
やりきったな。
複数チェイスを目の当たりにしていて、
まだチャンスは残っているものの・・・、
もう気持ちが付いて行きませんでした。
悪い雰囲気から切り替えたつもりでキャストを繰り返すも、
続けて2本をバラシ。
さらには残っていた尺クラスを引っ張り出すも食わせ切れず。
怒涛のドラマ群が突如として現れ、
そして何事も無かったかのように一瞬で過ぎ去って行きました。
まだまだ素人の分際で尺上ヤマメを狙って獲ろうなどと、
その浅はかな考えを見直せと、
きっとそう言うことだろう・・・。
今年はきっと、準備期間みたいなもんだったんだ・・・。
そうして少しだけ前を見たその目前に映されたのは、
往々にして釣れない「堰堤」という見せかけだけのポイント。
堰堤っていつも思ったような魚が釣れないしぃ、
なにって難しいしぃ、
まっ、
適当にやってやろーみたいなー。
今思い返してもその程度のもんだったでしょう。
そして深場用に仕入れたルアーをスナップに噛ませて、
キャストを開始するのです。
まさかここにモンスターが潜んでいるとも知らずに。
2投目の出来事でした。
豊富な水量で激流を伴うポイントにつき、
安全性を考慮すれば足場は限られており、
堰堤側近の魚道まで立ち込まないといけません。
それでもポイントはかなり深いし水面は白泡が強いし、
何より雨空のローライトと来たもんだから、
かなり大胆に攻めを開始しました。
適当なレンジまで沈めて・・・、
ショートリフト&スローフォール・・・、
二度三度と繰り返した所、
ゴンと鈍い感触が伝わりました。
まるで底に沈んだ倒木にでも食われたかのような。
一応アワセに似た動作をくれてみた所、
もう半端ないストロークで規則的にロッドを叩き始めたのです。
それでもまだ、
倒木の枝に掛かって水に押されたり抜かれたりする、
そんな動きに同調しているのではなどと思ってしまいました。
それほどまでに、
絶対に有り得ない絞込み量とヘッドシェイクが続きました。
なんだよこれ・・・。
こんなのおかしい・・・。
これは絶対に魚なんかじゃない・・・。
ただ、
魚だったら化け物だろーが!
水面から離れた少々高い足場からアクションを掛けていました。
何か掛かればブチ抜いて自分の立っている魚道の中に入れてしまえば良いと、
そんな風に思っていました。
それがまさか、
こんな尋常ではない何かが掛かるなど想像もしていません。
あらゆる事が脳内を猛スピードで駆け巡りました。
堰堤下は急角度の滑り台になっていて轟々と水が流れています。
それに乗せてしまえば秒殺アウト。
しかし抜くなどというサイズではない事は姿を見ずして分かります。
どうする、どうする・・・。
そうこうするうちに鋭角な堤防エッジにラインが触れるかどうかの危険な状態になってしまいました。
このまま水流に押されれば数秒以内にラインブレイク。
もう、
全部、
信じるしかねぇ。
やらずに後悔するより、
やって後悔したいじゃないか。
今まで見た事無いぐらいに、
いっぱいまでロッドを曲げました。
滑るスプールを手で抑えて、
ラインに全てを託しました。
強引の極みがここにある、そんな感じでした。
バシャ!と浮いた瞬間、
流下させる前に間髪居れずブチ抜きを決行。
ゆっくりと宙に浮いた魚は、
一瞬イワナかとも思わせる魚体でしたが、
自分との距離が詰まるに連れてその姿が鮮明になってきました。
銀色に輝く腹から青白い背中・・・。
サクラマスをも感じさせる尖った頭・・・。
そして何より体全体に散りばめられた薄めのパーマーク・・・。
間違いない!
大ヤマメだ!
ゆっくりと宙を舞う魚をヤマメだと確信する頃には、
自分が立っている1.5m四方ほどのコンクリート製の浅い魚道に、
そのえげつないサイズのヤマメをブチ込んでいました。
おっしゃ!
獲ったぞ!
有り得ないランディングではあったけど、
これが最善にして唯一の選択肢。
いろんな思いを胸にネットを差し出し頭から入れようとした所、
例の半端ないヘッドシェイクを見せ付けられ、
その2発目のシェイクでまさかの・・・、
まさかのルアーフックとネットがロック・・・。
そこから3発目のシェイクでフックが外れ、
ついには魚がフリーになってしまいました。
ここは狭い魚道内だとすぐに追いかけましたが、
一瞬にして姿を消してしまいました・・・。
3面コンクリートながら1面は石積み形状、
もちろん魚道なので水の出入り口はある。
探す内にきっと逃げたのでしょう、
それから姿を現す事はありませんでした。
目測、
どれだけ小さく見ても40オーバーのヤマメでした。
本流差しの、いわゆる遡上鱒。
唯一の救いと言っては何ですが、
まだ少しもサビが出ておらず鼻落ちもしていない固体だったこと。
おそらく雌でしょう。
雄の本気ヤマメだったら・・・倒れるまでヤケ酒してたかと・・・。
しかしながら、
渓流40ヤマメなど狙って出会えるはずがないし、
限定して狙い続けたとしても5年程度ではお目に掛かれないような奴だったんじゃないかと・・・。
そもそも渓流40は目標設定としては異常かもしれませんし・・・。
来シーズンは本流ヤマメもやってみたいと思っているので、
この借りは来年、本流40ヤマメ、50サツキあたりでお返ししてやります。

そのバラシの瞬間は相当落ち込みましたとも。
僕の中では幻の渓流40ヤマメだったんですから。
それを実際に目の当たりにして、
はっきり言って馬鹿げ過ぎた魚だったので逆にスッキリしました。
あの馬鹿はいつか、
もっともっと力を付けてから、首でも絞めてやろうかと。
もちろん渓流で、最終形態の雄をね。
そんな気持ちの切り替えからか、
画像の綺麗な25クラスを難なくキャッチ。
続けて9寸クラス28.5も追加。
更に中型2キャッチの4連発。
精神的に安定してると、
こんなにまで楽に釣れるのかと逆に悩んでしまいます。
そしてついにタイムアップで退渓時間となってしまいました。
残りのシーズンも行けそうなら行って見ます。
しかし、ちゃんとした尺上ヤマメ狙い釣行はこれで最後となるでしょう。
思い返せばシーズン後半から一気に加速したヤマメ熱ではありましたが、
これは非常に良いターゲットだったと思っています。
なぜなら・・・、
僅かに垣間見た世界、
そう、大型遡上ヤマメの最終形態こそ、
僕の求める「人魚釣り」なのかもしれないと感じたから・・・。
ま、分かんないけどね。
確実に魚の気配が濃くなって来たのを感じました。
それと同時に目前にどっかりと控えた巨大な堰堤。
その1つ手前の、水深と流速を伴ったポイントが僕の前に現れました。
大場所の1つ手前というのは僕が最も期待を寄せるポイント。
しかし今回は気持ちがもう盛り上がらない、そんな感じでした。
何気ないキャスト、そしてトゥイッチで引いてくると、
まさか、
まさかの大型ヤマメが複数でチェイスしてきたのです。
ここか・・・。
ここが勝負の場所・・・鱒釣りの神がいるとしたら、
まだ見捨てられてはいなかったんだ・・・。
そう思いました。
そしてここ一番の集中力で2投目・・・、
思った通りにガツン!とヒット!
フルフッキングで滑り込むドラグ量に、
確実に尺上を感じました。
そんな模範解答とも思われた時間も、僅か1秒2秒。
神経を尖らせ過ぎたか、
またも浅掛かりでフックアウトの結末が待っていました。
よし、
今シーズンも終わったな。
お疲れ自分。
やりきったな。
複数チェイスを目の当たりにしていて、
まだチャンスは残っているものの・・・、
もう気持ちが付いて行きませんでした。
悪い雰囲気から切り替えたつもりでキャストを繰り返すも、
続けて2本をバラシ。
さらには残っていた尺クラスを引っ張り出すも食わせ切れず。
怒涛のドラマ群が突如として現れ、
そして何事も無かったかのように一瞬で過ぎ去って行きました。
まだまだ素人の分際で尺上ヤマメを狙って獲ろうなどと、
その浅はかな考えを見直せと、
きっとそう言うことだろう・・・。
今年はきっと、準備期間みたいなもんだったんだ・・・。
そうして少しだけ前を見たその目前に映されたのは、
往々にして釣れない「堰堤」という見せかけだけのポイント。
堰堤っていつも思ったような魚が釣れないしぃ、
なにって難しいしぃ、
まっ、
適当にやってやろーみたいなー。
今思い返してもその程度のもんだったでしょう。
そして深場用に仕入れたルアーをスナップに噛ませて、
キャストを開始するのです。
まさかここにモンスターが潜んでいるとも知らずに。
2投目の出来事でした。
豊富な水量で激流を伴うポイントにつき、
安全性を考慮すれば足場は限られており、
堰堤側近の魚道まで立ち込まないといけません。
それでもポイントはかなり深いし水面は白泡が強いし、
何より雨空のローライトと来たもんだから、
かなり大胆に攻めを開始しました。
適当なレンジまで沈めて・・・、
ショートリフト&スローフォール・・・、
二度三度と繰り返した所、
ゴンと鈍い感触が伝わりました。
まるで底に沈んだ倒木にでも食われたかのような。
一応アワセに似た動作をくれてみた所、
もう半端ないストロークで規則的にロッドを叩き始めたのです。
それでもまだ、
倒木の枝に掛かって水に押されたり抜かれたりする、
そんな動きに同調しているのではなどと思ってしまいました。
それほどまでに、
絶対に有り得ない絞込み量とヘッドシェイクが続きました。
なんだよこれ・・・。
こんなのおかしい・・・。
これは絶対に魚なんかじゃない・・・。
ただ、
魚だったら化け物だろーが!
水面から離れた少々高い足場からアクションを掛けていました。
何か掛かればブチ抜いて自分の立っている魚道の中に入れてしまえば良いと、
そんな風に思っていました。
それがまさか、
こんな尋常ではない何かが掛かるなど想像もしていません。
あらゆる事が脳内を猛スピードで駆け巡りました。
堰堤下は急角度の滑り台になっていて轟々と水が流れています。
それに乗せてしまえば秒殺アウト。
しかし抜くなどというサイズではない事は姿を見ずして分かります。
どうする、どうする・・・。
そうこうするうちに鋭角な堤防エッジにラインが触れるかどうかの危険な状態になってしまいました。
このまま水流に押されれば数秒以内にラインブレイク。
もう、
全部、
信じるしかねぇ。
やらずに後悔するより、
やって後悔したいじゃないか。
今まで見た事無いぐらいに、
いっぱいまでロッドを曲げました。
滑るスプールを手で抑えて、
ラインに全てを託しました。
強引の極みがここにある、そんな感じでした。
バシャ!と浮いた瞬間、
流下させる前に間髪居れずブチ抜きを決行。
ゆっくりと宙に浮いた魚は、
一瞬イワナかとも思わせる魚体でしたが、
自分との距離が詰まるに連れてその姿が鮮明になってきました。
銀色に輝く腹から青白い背中・・・。
サクラマスをも感じさせる尖った頭・・・。
そして何より体全体に散りばめられた薄めのパーマーク・・・。
間違いない!
大ヤマメだ!
ゆっくりと宙を舞う魚をヤマメだと確信する頃には、
自分が立っている1.5m四方ほどのコンクリート製の浅い魚道に、
そのえげつないサイズのヤマメをブチ込んでいました。
おっしゃ!
獲ったぞ!
有り得ないランディングではあったけど、
これが最善にして唯一の選択肢。
いろんな思いを胸にネットを差し出し頭から入れようとした所、
例の半端ないヘッドシェイクを見せ付けられ、
その2発目のシェイクでまさかの・・・、
まさかのルアーフックとネットがロック・・・。
そこから3発目のシェイクでフックが外れ、
ついには魚がフリーになってしまいました。
ここは狭い魚道内だとすぐに追いかけましたが、
一瞬にして姿を消してしまいました・・・。
3面コンクリートながら1面は石積み形状、
もちろん魚道なので水の出入り口はある。
探す内にきっと逃げたのでしょう、
それから姿を現す事はありませんでした。
目測、
どれだけ小さく見ても40オーバーのヤマメでした。
本流差しの、いわゆる遡上鱒。
唯一の救いと言っては何ですが、
まだ少しもサビが出ておらず鼻落ちもしていない固体だったこと。
おそらく雌でしょう。
雄の本気ヤマメだったら・・・倒れるまでヤケ酒してたかと・・・。
しかしながら、
渓流40ヤマメなど狙って出会えるはずがないし、
限定して狙い続けたとしても5年程度ではお目に掛かれないような奴だったんじゃないかと・・・。
そもそも渓流40は目標設定としては異常かもしれませんし・・・。
来シーズンは本流ヤマメもやってみたいと思っているので、
この借りは来年、本流40ヤマメ、50サツキあたりでお返ししてやります。
そのバラシの瞬間は相当落ち込みましたとも。
僕の中では幻の渓流40ヤマメだったんですから。
それを実際に目の当たりにして、
はっきり言って馬鹿げ過ぎた魚だったので逆にスッキリしました。
あの馬鹿はいつか、
もっともっと力を付けてから、首でも絞めてやろうかと。
もちろん渓流で、最終形態の雄をね。
そんな気持ちの切り替えからか、
画像の綺麗な25クラスを難なくキャッチ。
続けて9寸クラス28.5も追加。
更に中型2キャッチの4連発。
精神的に安定してると、
こんなにまで楽に釣れるのかと逆に悩んでしまいます。
そしてついにタイムアップで退渓時間となってしまいました。
残りのシーズンも行けそうなら行って見ます。
しかし、ちゃんとした尺上ヤマメ狙い釣行はこれで最後となるでしょう。
思い返せばシーズン後半から一気に加速したヤマメ熱ではありましたが、
これは非常に良いターゲットだったと思っています。
なぜなら・・・、
僅かに垣間見た世界、
そう、大型遡上ヤマメの最終形態こそ、
僕の求める「人魚釣り」なのかもしれないと感じたから・・・。
ま、分かんないけどね。
Posted by セリ at 22:48
この記事へのコメント
お疲れ様でした
デカい奴ほど…そんなもんです
僕も何度天を仰いだことか…

しかしこの台風は厄介ですな
ラストスパートにブレーキが掛かってしまい鱒ね
僕は最後まで職権乱用で頑張り鱒よ!
(爆)











Posted by さくら at 2011年09月21日 00:03
読んでいて手に汗かいてしまいました(笑)
「良かったですね」と「残念でしたね」が複雑に絡み合った気持ちです。
ネットイン…即ち、キャッチできなかったことは確かに残念でしたけど、その魚に出会えたこと…は色んな意味で良かったですよね!?
良かった?残念?
ん~…ごめんなさい、うまく表現できない~何って言ったらいいんじゃ~(泣)
堰堤や淵のような大場所って、だいたい打率低いですよね。
遡上魚の動向には大きく関わっているから外せないのですけど…。
期待と裏切りが渦巻いています(笑)
あと数日あり鱒。
一緒に悪あがきしましょうよ(笑)
「良かったですね」と「残念でしたね」が複雑に絡み合った気持ちです。
ネットイン…即ち、キャッチできなかったことは確かに残念でしたけど、その魚に出会えたこと…は色んな意味で良かったですよね!?
良かった?残念?
ん~…ごめんなさい、うまく表現できない~何って言ったらいいんじゃ~(泣)
堰堤や淵のような大場所って、だいたい打率低いですよね。
遡上魚の動向には大きく関わっているから外せないのですけど…。
期待と裏切りが渦巻いています(笑)
あと数日あり鱒。
一緒に悪あがきしましょうよ(笑)
Posted by こにゆき at 2011年09月21日 02:21
●さくらさん
デカイ奴ほど、しら〜っとあっさり現れるものなのかもしれませんね。
ま、あっさり立ち去りましたけど…。
今年は何度天を仰いだのか…。
台風マズイっすね!
職権乱用?ってか本職頑張って下さいね(笑)
悶絶写メ期待してます(笑)
●こにゆきさん
まぁ会えないよりは会えて良かったに違いないですよね。
あんなのが遡上するなんて想像の中の出来事なので、
確信に変わっただけでも。
しかし大場所…居るんですね…。
今から来年が楽しみで仕方ないですわ(笑)
デカイ奴ほど、しら〜っとあっさり現れるものなのかもしれませんね。
ま、あっさり立ち去りましたけど…。
今年は何度天を仰いだのか…。
台風マズイっすね!
職権乱用?ってか本職頑張って下さいね(笑)
悶絶写メ期待してます(笑)
●こにゆきさん
まぁ会えないよりは会えて良かったに違いないですよね。
あんなのが遡上するなんて想像の中の出来事なので、
確信に変わっただけでも。
しかし大場所…居るんですね…。
今から来年が楽しみで仕方ないですわ(笑)
Posted by セリ at 2011年09月21日 06:50
初めまして。
岡山在住のとっさんと申します。
以前よりちょくちょくのぞかせていただいてたのですが、あまりに心惹く内容でしたので思わずコメントいたしました。
いやードラマといえばドラマですが、足が震えるほどの感動と興奮、そして落胆、目に浮かびます。
こんなに心が躍る趣味って最高だな~~
なんて思います。
ちょうど同じ日に同じ県内で僕も同じようなことを・・・
決して大山女ではありませんよ(笑)
中指にブスッと!
根性で貫通させて…
フックつけたままコメリへニッパー買いに行きました(笑)
今回はネットに収めれなかったけど、来年も、またその次も自分の心が折れない限りチャンスは必ずやってきます。
セリさんの日記にどど~~~んと大ヤマメ絵がupされる事期待しております。
長文失礼しました。
岡山在住のとっさんと申します。
以前よりちょくちょくのぞかせていただいてたのですが、あまりに心惹く内容でしたので思わずコメントいたしました。
いやードラマといえばドラマですが、足が震えるほどの感動と興奮、そして落胆、目に浮かびます。
こんなに心が躍る趣味って最高だな~~
なんて思います。
ちょうど同じ日に同じ県内で僕も同じようなことを・・・
決して大山女ではありませんよ(笑)
中指にブスッと!
根性で貫通させて…
フックつけたままコメリへニッパー買いに行きました(笑)
今回はネットに収めれなかったけど、来年も、またその次も自分の心が折れない限りチャンスは必ずやってきます。
セリさんの日記にどど~~~んと大ヤマメ絵がupされる事期待しております。
長文失礼しました。
Posted by とっさん at 2011年09月21日 08:45
話聞いた時はほんと興奮しましたw
「惜しかった」とか「あと少し」とか
そういう詰めの部分がやはり重要な釣りになるってことなんでしょうね。
とはいえ、そこまでいってネットインが叶わなかったのは魚の運が良かったとしか思えない気もします。
きっとセリさんをじらすためのヤマメの神様のいたずらでしょう(笑)
写真のヤマメいい色でてますね~w
そして…ミノーもいい色(笑)
あと残り僅かでこの台風。
週末釣行ほんとに厳しそうだけど
締めくくりのいい釣りできるように頑張り鱒!
「惜しかった」とか「あと少し」とか
そういう詰めの部分がやはり重要な釣りになるってことなんでしょうね。
とはいえ、そこまでいってネットインが叶わなかったのは魚の運が良かったとしか思えない気もします。
きっとセリさんをじらすためのヤマメの神様のいたずらでしょう(笑)
写真のヤマメいい色でてますね~w
そして…ミノーもいい色(笑)
あと残り僅かでこの台風。
週末釣行ほんとに厳しそうだけど
締めくくりのいい釣りできるように頑張り鱒!
Posted by サンジ at 2011年09月21日 11:02
>「今日が今シーズン最後のヤマメ釣りだ」
この気持ち(渓魚を追い求める)と渓魚を慈しむ気持ち
相反するものが心の中に渦巻くのが秋。
残りの日が少なくなればなるほど心穏やかに渓を歩くことができなくなる。
でも、
僅か一日の違いで気持ちが変わる。
それも渓流アングラーの性なのかも知れない・・・。
9月30日まで答えのでないワルアガキは続くのです。
この気持ち(渓魚を追い求める)と渓魚を慈しむ気持ち
相反するものが心の中に渦巻くのが秋。
残りの日が少なくなればなるほど心穏やかに渓を歩くことができなくなる。
でも、
僅か一日の違いで気持ちが変わる。
それも渓流アングラーの性なのかも知れない・・・。
9月30日まで答えのでないワルアガキは続くのです。
Posted by 剣道君 at 2011年09月21日 21:09
●とっさんさん
いらっしゃいませ!コメントありがとうございます。
今回のバラシ、足が震えるなんて事は全くもって無しでした。
前回尺上を獲れなかった時の方がよほど現実味があり、
少しの間は震えていましたねー。
今回の魚はそのぐらい唐突な出来事で、
何もかもが次元を超えてしました。
もはや全てが空想か何かだったのではないかと・・・。
いっその事フックが鬼ヒットしたのも空想にしてしまいたいですw
しかし根性で貫通っすか!
アニキと呼ばせてもらっても宜しいでしょうかアニキ(笑)
またお気軽にコメント頂けたら幸いです。
●サンジさん
いやいや、詰めが大切なのは全ての釣りにおいて共通です。
ことソルトにおいてはラストのランディングに危険を伴う場合すら生じますからね。
まぁ今回はおっしゃるように、
魚側に運が付いていたのでしょう。
仕方ねぇっす!
で、いい色のルアー使ってんでしょ?(笑)
秋ヤマメは全部がカッコよくないと駄目ですから(笑)
●剣道君さん
ちょっと早いですが、今年もたくさんお世話になりましたね。
まだまだ習得したい事がたくさんあるので、
来年も沢歩き教えてやって下さい。
10月1日からまた新たな時間が動き始めます。
それまでに・・・心穏やかなワルアガキできたらいいですねー。
いらっしゃいませ!コメントありがとうございます。
今回のバラシ、足が震えるなんて事は全くもって無しでした。
前回尺上を獲れなかった時の方がよほど現実味があり、
少しの間は震えていましたねー。
今回の魚はそのぐらい唐突な出来事で、
何もかもが次元を超えてしました。
もはや全てが空想か何かだったのではないかと・・・。
いっその事フックが鬼ヒットしたのも空想にしてしまいたいですw
しかし根性で貫通っすか!
アニキと呼ばせてもらっても宜しいでしょうかアニキ(笑)
またお気軽にコメント頂けたら幸いです。
●サンジさん
いやいや、詰めが大切なのは全ての釣りにおいて共通です。
ことソルトにおいてはラストのランディングに危険を伴う場合すら生じますからね。
まぁ今回はおっしゃるように、
魚側に運が付いていたのでしょう。
仕方ねぇっす!
で、いい色のルアー使ってんでしょ?(笑)
秋ヤマメは全部がカッコよくないと駄目ですから(笑)
●剣道君さん
ちょっと早いですが、今年もたくさんお世話になりましたね。
まだまだ習得したい事がたくさんあるので、
来年も沢歩き教えてやって下さい。
10月1日からまた新たな時間が動き始めます。
それまでに・・・心穏やかなワルアガキできたらいいですねー。
Posted by セリ at 2011年09月21日 22:43
ええね 泣けた(笑)
Posted by アオりん
at 2011年09月23日 19:47

●アオりんさん
そんなこと言ってたら本当に泣かせちゃうよー(笑)
次記事で(笑)
そんなこと言ってたら本当に泣かせちゃうよー(笑)
次記事で(笑)
Posted by セリ at 2011年09月25日 13:10
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