あと少し!
あと少しだ!
それはそれは思いのほか厳しいものでした。
いつもなら選ばないポイント、
そこは手前5mほど傾斜しながら瀬が張り出しており、
そこから先はドンと落ちている地形。
決してオーバーハングとは言わないまでも、
際まで寄せながら浮かせるタイミングが遅れてしまえば、
確実に瀬ズレが発生する事は容易に想像できました。
サイズ云々は別問題としても、
仮に遠投磯竿で掛けたのなら弱らせる時間さえ作れるでしょう。
しかしそこはルアーロッド。
しかも魚を掛けた状態での絶対的な長さを目視した時には、
あわや負け戦に挑んでいるかのような感覚です。
負け戦?
いい響きじゃねーか!
やってやらぁ!
およそ1シーズンみっちり使い倒したメインラインを巻き変え、
リール2台のスプールにはまっさらなグリーンカラーが光ります。
このラスト1色のグリーンカラーが見えて来た、
あの時の気持ちは格別なものでした。
ハイピッチで底を切った直後からワンピッチに切り替え、
そのワンピッチで15回ほどシャクっては底取りを繰り返し、
3セット目に入る時のPEラインはおよそ50mを指していました。
今回の勝負はここからスタートしました。
ハイピッチからのワンピッチ数回で宙層に跳ね上がったジグに、
しっかりとしたウエイトが突如として乗り切ってきました。
96POWERの追従性の高いティップは一瞬にして力を無くし、
ベントの頂点は次第にベリーからバット付近に移行しかけていました。
かなり手前で食った事もあり、
当然のように一気に足元に走ってくる魚。
まだまだ多くのラインが水中に伸びている・・・、
間に合うのか・・・、最後の突っ張り瀬を交わせるのか・・・。
焦りと祈りが交錯する、
不安で一杯な勝負でした。
依然バット部にしっかり残る余裕があるので、
ここは力のゴリ巻きよりスピードが欲しいと、
超ショートポンピングの連続で必死に抗戦。
ラストはグリーンだ、まだか、まだか・・・。
まだ新しいラインが故に、
ここまでラインカラーを意識してしまうとは思いもしませんでした。
そんな一味違うファイトも終盤に差し掛かり、
ようやくグリーンの繋ぎ目を捉えるようになりました。
よし!
あと10とリーダー!
そのすぐ後には銀色に光る魚影も確認できるようになりましたが、
ここでやはりラストランをお見舞いされ、
僅かに引っかいたような鈍い感触が伝わって来ました。
早く、早く!
とても長い10mでした。
リーダーとのノットが見えてきた時には、
そりゃもう本当に嬉しかったですね。
平場まで少しだけ誘導した後は、
っしゃらー!っと抜き上げてランディング。
ラストセットで掛けたのに、
こんなにまで長く感じるなんて・・・。
やはり恐ろしい魚です・・・。
兵庫但馬でアタッているヒラマサ戦況。
近隣に住む者なら、
今行くならあそこしかないだろうと誰もが思うはず。
それでも、
自分なりに思う事があって、
非常にリラックスしたムードの中、
島根半島に走って正解でした。
何か失いかけていた物を取り戻せたような、
そんなご褒美?のような1本でした。
が!
どうもねぇ、
いつしか釣ったヒラみたいなハマチに見えて仕方ないんっすよ(汗)
側線と胸鰭の位置関係、
口角の丸み、
体表を覆う鱗の感覚的な見た目、
平べったく幅の薄いボディー、
そのどれもがヒラマサなんですが、
「ヒラマサ!」っていう主張みたいなものが全く感じられません(大汗)
間違ってんだろうか・・・。
テンション上がってるんで1人ガッツポーズなどしてみたものの、
後から何度もクーラーを開けては大丈夫かな的な確認をしてみたり・・・。
超高級・ブリパックごしに撮影・・・。
うん、ヒラマサでしょ!
ヒラマサでしょ?
ですよね・・・?(死)
心臓に悪いファイトをした後に、
なぜこれだけ心労を患わねばならんのか(死)
マジでファイトの事なんて忘れてしまいそうです・・・。
そんな訳で、
せっかくのシリアス風味な記事も疑惑の落ちでごきげんようw
ま、
とりあえず、
やってやりましたぜT山さん!(笑)