運を引く努力
サクラマス釣りは、
5年やって初心者の域を脱し、
10年やって中堅処に食い込み、
20年やってようやくベテラン、
とか何とか聞いたことがあります。
10だの20だのという数字はさておくとしても、
それだけ難しく、探求は尽きる事無いという良い表現だと思います。
僕のような、
サクラマスを狙い始めて2シーズン目に差し掛かったばかりの小僧に、
何かが掴めるほど甘くはないのですが、
ひとつだけ分かった、いや、確信したことがあります。
それは・・・、
妥協は絶対に何も生まないと言うこと。
土曜の朝は人が多いだろうし雨の予報だし何より出勤日だし、
日曜は朝から予定が詰まって動けるのは午後からだし、
人が散々叩きまわった後を歩くのもオツだなんて口が裂けても言えないし、
今週は止めてもバチなんか当たらないだろう?
日曜の夕刻を迎えようとする時まで、
本当にこう思っていました。
どんよりとした曇り空を見上げながら。
それからおよそ1時間半後、
僕は川に立っていました。
もしかしたら誰か叩いたかもしれないけど、
今は間違いなく誰も居ないだろう、
そんな小場所が2箇所ほど連続するポイントの2箇所目、
丁寧にダウンクロスで誘い、流芯を抜けてクロスが切れかかる辺りで、
グン!と絞り込まれるティップ。
耳に入れば少し滑り気味に設定した13セルテートのドラグサウンド、
目に入ればギラギラとその鱗を光らせながら水柱を上げる魚体。
99%の焦りと1%の喜びが交錯する瞬間。
確かに・・・、
誰か撃った後にせよ、今は人が居ない所までは確信していましたが、
魚が付いていることまでは・・・。
無事にネットインを果たし、ひとしきり魚を眺めた後、
僕はもう嬉しさの反面、情けなさで一杯になりました。
行きたくても行けない人だって居るのに、
ダメだろうからなんて理由で釣行を断念しようとしたことを。
今の僕にできるのは、妥協しないことだけしか無いはずなのに。
妥協は絶対に何も生まないという確信は、
今後もきっと僕の中に強く根を張る不死身の生き物になることでしょう・・・。
川と魚に感謝します。
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